自民党の「新憲法草案」には、こんなネライが見え隠れ

1.「前文」をすべて書き換える。それは・・・・・・

  「侵略戦争の反省」をなくしてもいいですか?

二度と戦争をしない・・・・・・平和を守って世界に認められる国になる。憲法前文のこの精神は、戦後日本の出発点で、国際社会への公約です。

しかし、草案は、これをキレイに削っていますね。ねらいは、過去の戦争を反省しない国づくりです。

おおげさな話ではありません。戦争を反省しない「つくる会」の教科書を検定にパスさせ、「アジア開放の戦争」だったとする靖国神社に、首相は5年も続けて参拝です。

中国・韓国だけでなく、アメリカからも強い批判がとどいています。

2000万人以上を殺害した侵略を反省してこそ、本当に誇れる国がつくれるのではないでしょうか。

2.「9条2項」をなくす。それは・・・・・・

   米軍といっしょに海外で子どもや高齢者も殺す?

戦争をしない・・・・・だから軍隊をもたない。この9条の精神は、世界で高い評価を受けています。

アジアや南米にも、国連憲章にもとづく平和の共同体が広がっています。紛争は武力でなく、話し合いで解決しようという合意の始まりです。

しかし、草案は、自衛隊で「戦争のできる軍隊」にかえ、この国を「戦争のできる国」につくりかえるとしています。ねらいは、先制攻撃戦略をとるアメリカ軍との一体化です。在日米軍基地の強化もすすんでいます。

イラク市民の犠牲は3万人をこえました(米大統領発言)。

あの人たちに、アメリカ軍といっしょに銃を撃つ。日本をそんな無法な国にかえていいのでしょうか。

3.「基本的人権」より「公の秩序」を優先・・・・・・

   障がい者も病人も、もう国には頼るな!

個人の自由や権利は当然ですが、個人でを守りきれない自由や権利は国家が守る。これが基本的人権の精神です。25条の生存権も、こうした人権思想にもとづくものです。

しかし、草案は、国民に国への愛情・責任・気概を一方的に求めておいて、人権は「公の秩序」で規制するとしています。「障害者自立支援」法や医療改革のように、自由や権利は「自己責任」にせばめていくが、こうした国の動きには逆らうなというわけです。

戦争や大型開発にはお金をかけても、国民生活にはお金をかけない。それに反対することも許さない。

そういう人権軽視の国づくりでいいのでしょうか。

4.「96条」を変えて、ハードルを低くして・・・・・・

   もっと先に、もっと変えたい、

      国のかたちも民主主義も!

改憲の国民投票には、衆参両院それぞれの3分の2の賛成が必要です。しかし、草案は、過半数で良いとしています。その後の改憲を簡単にするためです。

04年11月の自民党「憲法改正草案大綱(たたき台)」は、個人の尊厳は「自由と共生の理念」にまかせ、生存権規程は「基本的な権利・自由」からははずすとしました。「天皇は、国家の元首」という驚くような発言も登場します。

6月の「憲法改正のポイント」には老親扶養を家族に押しつけるという意見も書かれています。

こんな改憲の暴走に道をひらく、手続きの簡略化をゆるして良いのでしょうか?

こんな改憲にYES?